今年のGWは4月29日~5月1日、5月3日~5月5日と前半、後半に分かれています。会員の皆さんの希望などを聞きコースと日程を決めたいと思います。案として出ていますのは「後立山」2コースです。
①雪山経験者向け 爺ヶ岳南尾根~爺ヶ岳
(メンバーにより鹿島槍ヶ岳まで)
<あしあと>
【日 時】
2016年4月28日(夜発)~4月30日
【メンバー】
木村(CL)・七野(SL)・日高m(医療)・鈴木(気象)・大路(記録)・菅(装
備SL)・藤江(会計)・榎本(食料)・兼田(装備)・薮野(食料)・河本(渉外)
【記 録】
(大路)
28日夜発 29日2時過ぎ扇沢駅着、前夜泊
29日 起床 ‥‥‥ 5:00
扇沢テント場所発 ‥‥‥ 6:30
鈴木さんと合流)
爺ヶ岳登山口発 ‥‥‥ 7:14
南尾根入口 ‥‥‥ 8:13
ジャンクションピーク ‥‥‥ 12:30
テント設営場所 ‥‥‥ 12:35
30日 起床 ‥‥‥ 5:00
出発 ‥‥‥ 6:45
爺ヶ岳南峰 ‥‥‥ 8:20
爺ヶ岳中峰 ‥‥‥ 8:55
テント設営場所 ‥‥‥ 10:19
南尾根入口 ‥‥‥ 13:38
爺ヶ岳登山口 ‥‥‥ 14:18
当初の目標は扇沢から鹿島槍でしたが、荒天に阻まれて結果的には爺ヶ岳までしか行けませんでした。強風と小雪の中の歩行、雪壁のテント設営、新雪の北アルプス大眺望など、地獄と天国を同時に味わった、山への対処における実り多き春山合宿だったと思います。
29日は大荒れで、爺ヶ岳南尾根を登りましたが、ジャンクションピークのかなり手前から強い風と小雪でした。結局、ジャンクションピークを少し過ぎたところに雪壁を作ってテントを張りました。 しかし、30日は朝快晴で眺望も抜群、爺ヶ岳に向かいましたが、冠雪の剱岳、槍ヶ岳、鹿島槍など北アルプスのスターの雄姿は感動的でした。ゴールデンウィークに営業している冷池小屋では、29日の宿泊予定者は、全員キャンセルだったそうです。リーダーの木村さんをはじめ、参加された皆様、大変お世話になりました。
【装備】(兼田)
今回初めての装備担当でしたが、管さんより装備担当の手順を一から教えていただき、七野さんにも手伝っていただいたおかげで、装備の振分けの仕方が分かり、なんとか装備分担表を完成できたのは良い経験になりました。今回はCLの木村さんが、共同装備の一覧表を作っていただいていたので、作業はとてもはかどりました。
今回装備担当をさせていただき大変勉強になりました。この経験を今後に生かせるようにしていきたいと思います。又これからの課題として、共同装備の一覧表まで自分で作成できるようになるのを目標とします。
初日の登りは例年より雪が少ないとのことで、木があまり雪に覆われておらずに邪魔で歩きづらかった。森林限界になり、やっと歩きやすくなったと思うと、今度は風が強く大へんでした。テントは5人で余裕があり快適に過ごすことができました。
2日目鹿島槍には登れませんでしたが、天気が良く爺ヶ岳山頂よりの槍ヶ岳、剱岳等北アルプスの山々の景色は最高で、参加して本当に良かったと思います。
ありがとうございました。
【装備指導】(菅)
装備担当の兼田氏は初めてだったので、装備担当になった時にしなければならない作業について勉強しながら、一緒に装備表をパソコンで作成した。前回合宿の装備担当だった七野氏も同席して作成に加わり、もう一度一緒に勉強した。後日一名不参加になったため、班替えを行い装備表も再度作成しなおしたが、兼田氏一人で修正作成していただけたので、勉強の成果が出ていると思いました。
反省点として、共同装備を分ける時に、違う班の荷物を持ったり、何を持つのかわからない人が居たりした。荷物に運搬者の名前を書いて張っておけば混乱を防げる。榎本さんが、運搬する人の名前を書いていたのはわかりやすくて良かった。
【食料】(榎本)
29日夕食 よせ鍋 30日朝食 餅入りラーメン
合宿も何度か経験し、メニューも特別なものじゃなく、以前の資料を参考にしたので、残もなくいけたと思います。
私は体調が良くなく行動食からあまり食べられず、結局、荷物も皆さんに持ってもらい迷惑をかけてしまいました。
トレーニング不足を痛感しています。今後は体調を整えて参加したいと思います。
今回は天候にも恵まれ雪の景色を堪能出来ました。また、こんな景色を見たいので頑張りたいと思います。
【食料】(薮野)
今回、初めての食料担当でした。春山合宿で教えてもらった事を報告します。
豚肉、鶏肉等々の肉類の運搬方法は、3日前から冷凍をし、保冷袋(100均)に入れ、クーラーボックスに入れて現地出発場所まで持って行く。保冷袋に入れたままテント場まで持って行く。今回は気温が低かったため、半解凍ぐらいでした。
翌朝の雑炊に使うアルファ米は、前夜、寝る前に水を適量入れておく。
これから初めて食料担当をする方の参考になればと思います。献立、食材、分量等々、計画していただいた榎本さん!ありがとうございました。
【医療】(日高m)
爺ヶ岳、鹿島槍に登りたいという思いだけで前半合宿に参加表明しました。しかし強剛の男性群の中で、果たして付いて行けるのかとても心配でした。その後、積雪が少なく藪漕ぎ、弛んだ雪に足がはまる等の情報に益々不安が増し、計画書をもらったときは緊張がピークに達していました。しかし出発の当日、皆さんの顔を見たら“頑張るしかない”という覚悟が決まり、気持ちが落ち着きました。
深夜2時に扇沢に着いたときは、みぞれと冷たい風が吹き、冬に逆戻りをしたかの様でした。29日、登山開始の朝も強い風で悪天でしたが、時々明るく薄日が差すような時もありました。夏道から標高1750m付近より稜線の藪漕ぎに入ってからは、笹、木の枝、根っこに気を付けながらの登りで、2000m位から南斜面の雪渓登りになりました。足を蹴り込めばアイゼンを付けることなく進めます。しかしJP(ジャンクションピーク)手前の急斜面は、ずるずる状態で笹や木を握り必死で登りました。JPに上がると風は更に強く、僅かな鞍部を捜しテント設営。テントに入る頃は雪が降り始めました。二張のテントでしたが私たちのテントは早々にお鍋の夕食を済ませ横になりました。一晩中テントの上はゴゥゴゥと風が唸っていましたが、深夜外に出てみると星が輝いていました。
30日の朝は晴れ、新たな降雪で周囲は真っ白の世界でした。南峰まで登ると、剱岳や北アルプスが見渡せ、爺ヶ岳からはきれいな稜線を引いた鹿島槍が見えました。しばらく展望を楽しんだ後、午後から前線通過の予報の為、今回は鹿島槍を諦めることになりました。テン場でのテントを撤収し下山開始。雪が昨日よりもゆるんでいるように感じました。登るとき難儀したところは意外と楽に降りましたが、その後、私の前を歩いていたSさんが滑って20~30m滑落、Oさんも滑りましたが、木にまたいですぐに停止しました。2人とも怪我もなく無事停止出来て安心しました。アイゼンを付けていたのは女性2人を含め3人だけだったので、この時から全員アイゼン装着という事になりました。それ以後は無事下山。下山口では曇り空、小雨が降り出していました。
春山は晴れていればルンルンの山、一旦崩れると冬山と聞いていましたが、まさに今回も冬山に近い状況だったのでしょうか。気温はそれほど下がってはいなかったとは思いますが、いい経験をさせて頂きました。私の担当は医療係りでしたが、出番はなく無事終了しました。何もお手伝いをせず、楽しく思い出に残る合宿に参加させて頂いてありがとうございました。
【渉外】(河本)
悪天候の中、コースの選択として良い判断だったと思います。さすが北アのアプローチは長く険しいですが、体力は自己との戦いのようなもので、その分、達成感はひとしお。全員無事で事故なく帰阪できてよかったと思います。まだまだ自身としては課題はありますが、経験を積み精進したいものです。
二日間、有難うございました。
【SL】(七野)
今回、先頭で行ったのですが、コース・ペースを見ながら進むように注意を受けました。コースは修正してもらいながらですが、あまり外さず何とかできたようですが、ペースは最後まで上手くいかなかったように思います。強風の中テントを張ったのですが、いい経験になりました
リーダーの判断で、翌日は爺ヶ岳まででしたが、ひどい天気にも合わず素晴らしい景色を見ることができました。みなさんありがとうございました。
【CL】(木村)
合宿前半組の予定は、爺ヶ岳南尾根~鹿島槍ピストンというコースでしたが、当初予定の冷池山荘1泊というのが正直かなり自信がなく、ジャンクションピーク(JP)2泊と迷う部分が大きかったのを事前に明確に判断しておけばよかったと思います。
結果的に29日の天候が悪く、とても稜線を歩ける状態ではなかったために、JPでのテント泊となり、翌30日の午後も下り坂であったため、爺ヶ岳のみの往復という結果になりました。もし天気がよく、予備日も使えた状況であれば、最初から2泊予定としておけば、無理なく鹿島槍まで行けたのではないかと思います。
前泊地は登山口の向かい側の駐車スペース(5~6台分)でも可能ですが、トイレの問題もあり、なおかつ雨が降っていたため、扇沢駅の建物の庇の下にテントを張りました。非常に快適ではありましたが、始発が6時頃だったため、起床時間を1時間早めることになりました。快適さと睡眠時間のどちらを取るかという選択になります。
ルートはしばらく柏原新道を上がりますが、先はトラバースになるため積雪期は通れません。途中で明確な黄色い看板があり、そこから尾根に這い上がりますが、ここの藪漕ぎが一番やっかいです。尾根にのってからJPまでも、ところどころ藪漕ぎになりますが、明確な尾根であり迷うことはありません。JP手前から藪を避けて右手の谷よりの雪原を歩きますが、ここが若干急な段差等もあり時間を使いました。
JPから先は風が強くて歩けそうになかったため、JPを越えたコルの部分でテントを張りました。嵐ともいえる天候だったので、しっかりと風除けブロックを作りました。
翌朝は、若干風は残っていたものの素晴らしい快晴でした。その上かなりの降雪があったので、まわりの景色も真っ白の絶景でした。JPから爺ヶ岳への登りは、新雪がのっているだけで、降雪がなければ普通の岩稜歩きだったと思います。アイゼンなしで全然問題ない状態でした。南峰から中峰へ向かう時に、下りとトラバースに備えて一応アイゼンを履きましたが、結果的には不要であったと思います。
3時間半ほどで往復し、テント撤収して下山開始でしたが、このJPからの下りで若干の滑落がありました。登りも少し苦労した雪の急斜面の下りでした。気を付けて歩けば問題ないと思い、アイゼン装着を指示しなかったのですが、全員の安全を考えると、ここはアイゼン装着を指示すべきでした。申し訳ありませんでした。
だらだらと長い下山路でした。これを鹿島槍アタック後に冷池山荘からフル装備で歩くのは、本当にきついと思います。やはりJP2泊プランがいいと確信しました。今回は本当に色々と勉強となりました。ありがとうございました。